ながはま0次予防コホート事業とは?
長浜市と京都大学大学院医学研究科が共同で行う、「0次予防健康づくり推進事業」とは、長浜市民の健康づくり推進と医学の発展への貢献の両方を目指し、継続的な連携と相互協力により実施する様々な事業群です。 その事業群の中に「ながはま0次予防コホート事業(0次健診)」があります。この事業は、長浜市と京都大学大学院医学研究科が「市民の健康づくりの推進」と「医学発展への貢献」を目標に掲げ、 長浜市民1万人を目標に参加者を募り、参加者から提供していただいた血液や尿、健康情報などの試料等を蓄積し、管理運用を行う事業です。
ながはま0次予防コホート事業における試料等の蓄積及び管理運用に関するルールであり、事業参加者から提供していただいた血液や尿、健康情報などの試料等の蓄積及び管理運用に関して、事業に携わるすべての者が遵守すべき事項や基本的な仕組み等をルール化することで、市民が安心して事業に参加することができる環境を整備します。
長浜市民の健康状態とゲノムの情報を医学研究に活かす
0次健診の参加者の血液や尿などの試料と健康情報などを基にして今後10年以上にわたり追跡調査を行うことで、がんや脳卒中、心筋梗塞、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の発症メカニズムを解明し医学発展に活用することを目標にするとともに、長浜市民に貢献し市民の健康づくりとの両方を目指します。そして、自分たちの子や孫、将来世代に引き継がれていく新しい健康づくりを目指しています。
健康づくり0次クラブが発足したきっかけとなった、長浜市と京都大学大学院医学研究科の「0次予防健康づく り推進事業の共同実施協定」では独自の健康診断「0次健 診」を通じて、遺伝子や生活習慣が健康状態や病気に与える影響を京都大学大学院医学研究科が調べる「ながはま0次予防コホート事業」を行うことが定められました。 この事業が長浜市で可能になった背景には、長浜市民 の医学研究や0次クラブの活動への理解があります。また、0次クラブの活動に対する長浜市や科学技術振興機構(JST)からの支援・応援が5年間の継続の後押しにな りました。
ながはま0次予防コホート事業の仕組み

ながはま0次予防コホート事業のスケジュール

長浜市・京都大学大学院医学研究科・長浜市民が作った独自のルール
「ながはま0次予防コホート事業」の開始にあたり2006 年から準備が始まり、翌2007年の試験的なパイ ロット研究を経て、2008年から正式に開始されました。 この間、長浜市や京都大学大学院医学研究科、0次クラブ(当時は任意団体)とその会員ら市民代表が集まり、事業の参加者の個人情報の扱い、研究の進捗や結果を市民が知るプロセスなどに関するルールづくりが始まりました。
そして、2年ほどの討議の後、「ながはま0次予防コホート事業における試料等の蓄積及び管理運用に関するルール」(通称:ながはまルール)が締結されています。このルールは国の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(ルール施行後、2013年に一部改正※)に則り、さらに、人権を研究実施よりも尊重することも謳っています。また、長い時を経て、ながはまルールが当事者によって勝手に改正されることがないよう、長浜市は2008年6月に「ながはま0次予防コホート事業における試料等の蓄積及び管理運用に関する条例」を制定しまし た。これによって、実施者や参加者が納得しながら研究を進め、健康づくりに活かす体制が整えられました。
ながはまルールの内容
- 研究資料を取り扱う者全てを適用範囲とする。
- 人権尊重を研究実施より上位に位置づける。
- 試料の使用許可のために審査会組織を設ける。(京都大学及び長浜市の審査会の2重審査)
- 開示に伴う不利益に対する社会的対策が整っていないため遺伝子の配列情報を開示しない。
- 計画全体に同意をもらい、具体的実施方法が定まった時点で情報提供し同意撤回機会を提供するという独自の長浜式インフォームド・コンセントを採用している。
- 二重匿名化という個人情報保護の手順を具体的に記載。
- 0次事業の進展に合わせてルールを修正できるよう見直し条項を含む。
ながはま0次予防コホート事業における試料等の蓄積及び管理運用ルール

『なが はま0次予防コホート事業における試料等の蓄積及び管理運用に関するルール』(通称:ながはまルール)
□ながはまルール.PDF